新訳ミツバ篇
□第9章
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一方そのころ、ミツバと当馬は大江戸病院にいた。
結局、医者に入院だ、と判断されたミツバが、病室にいたからだ。
ミツバ『ごめんなさい、こんな事になってしまって。
また私の身体のせいで、式がのびてしまったわね。』
ベッドに横になって、申し訳なさそうに謝っているのはミツバだった。
当馬は優しく微笑む。
当馬『いいんだよ。
あせらずゆっくり治そう。
式なんてただの形式に過ぎないんだから。
僕は、もうとっくに君と夫婦のつもりだよ。』
ミツバ『………ありがとう、当馬さん。』
当馬はミツバの元気そうな笑みを見て、ホッとしたように肩の力を抜いた。
するとゆっくり立ち上がって、身支度を始めた。
当馬『それじゃあ僕は仕事があるからいくけど、辛いものとか、とっちゃダメだよ。
身体に障るから。』
ミツバ『わかってます、私もそこまでバカじゃありません。』
ミツバの返答を聞いて、当馬はとりあえず安心して一息吐く。
当馬『それじゃあ…また夜、来るよ。』
そう笑顔で言うと、当馬は病室を出て行った。
その後、ものの数秒後だった。
まさしく「あっという間」に、銀時が病室に、ミツバの見舞いに来たのだ。
……いや、見舞いというよりは、仕事と言ったほうがいいだろう。
その片手には、「激カラせんべい」との文字が入っているスナック菓子を持っていた。