ミツバ編

□第8章
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その男、赤い瞳に憤怒の魂を宿し、俺を睨むその姿、まさに獣。

「土方さん、俺とひとつ、手を合わせてもらえねェでしょうかぃ?」



総悟からそんな事を言ってきたのは初めてで、俺は今、きっと凄く驚いた顔をしているだろう。

だが総悟はといえば、とても落ち着いた様子で、俺を睨みつけていた。



そして考える隙もあたえず、総悟は腰にかけていた稽古用の竹刀を思いっきりふりかかってきた。

俺は急いで竹刀を取り出し、総悟の竹刀をとめた。



「やっぱりスゲェや、土方さんは。

俺が本気で斬りかかっても、簡単に止めやがる。」

「…珍しいな。

お前が俺を賞賛するなんて。

でもそんな大層なモンじゃねェよ。」



総悟の竹刀を振り払い、俺は容赦なく総悟に竹刀を振った。

竹刀同士がぶつかりあい、大きな音が副長室の前の廊下に響いた。



「本当に行くんですかィ?

蔵場の所に。」

激しい乱戦のなか、総悟は俺に言った。
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