ミツバ編
□第9章
2ページ/4ページ
先手必勝。
土方さんは黙り込んだ。
ここが正念場だ。
俺はさらに続けて言った。
「土方さん、俺とひとつ、手を合わせてもらえねェでしょうかぃ?」
俺は土方さんを睨みつけた。
この場で相手を威圧しておくのは必須条件。
そして腰の竹刀を取り出し、自慢の足で土方さんに斬りかかった。
…これにはけっこう自信があったのに。
土方さんは安易に俺の攻撃を止めた。
「やっぱりスゲェや、土方さんは。
俺が本気で斬りかかっても、簡単に止めやがる。」
俺は正直に、今、思ったことを言った。
すると、土方さんはまんざらでもなく言った。
「…珍しいな。
お前が俺を賞賛するなんて。
でもそんな大層なモンじゃねェよ。」
土方さんはそう言うと、俺の竹刀を振り払い、俺に攻撃してきた。