白蝶編
□第1訓
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とにかく足を動かして帰る道を探す。
するとふいに肩に衝撃を感じた。
ドンッ
幸恵『あっ、すみません。』
反射的に謝り、後ろをふり返る。
するとそこには、どう見ても不良らしき男が、幸恵を睨みつけていた。
不良『んだよ、いってェなァ。
姉ちゃんどこ見て歩いてんだコラァ!』
そう怒鳴られ、上から見下ろされる。
幸恵『ホントすみません。
あの、ちょっと私、急いでるんで……。
ホントこれから気を付けますから、勘弁してくれませんか?』
不良に睨まれることよりも、今はこの異様な街に自分がいることの方がもっと怖い。
適当に流して足早に去ろうとしたときだった。
不良『あん?
クソガキめ、俺をナメてんのか?
俺にぶつかっておいて、そんなので許されんと思ってんのか!』
そう強張った声で言われる。