白蝶編
□第2訓
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銀時『もしよかったら、話でも聞くよ?
なんでも屋だし、ここで会ったのもなにかの縁だし。』
銀時は優しくそう幸恵に声をかけた。
初対面なのに、名前しか知らないのに、その優しい声と性格に、なんだか安心した。
幸恵『じゃあ、ちょっと相談があるんですけど……。』
スクールバックを両手に持ち、顔を上げる。
すると銀時も立ち上がり、かぶき町の街の中心を指差した。
銀時『こんなとこで立ち話をするのもなんだから、店に来るか?
なにより、もう7時だからな。
外もだいぶ冷えてくるだろ。』
思えばココは「ターミナル」の入り口のすぐそばで、夜でも人通りが多い。
幸恵『は……はい。』
幸恵はそう言ってコクリとうなずくと、銀時の後に続いてゆっくりと歩き出した。
*
「かぶき町」を歩いていると、商店街が続いていた。
昔の雰囲気と、「現代」より発達しているであろう技術が、入り交ざって並んでいる。
見れば見るほど奥が深いと言うか、疑問が絶えず出てきた。
興味津々で歩いていると、銀時が歩いていた足を止めた。
銀時『幸恵ちゃん、着いたぜ。
ここが俺が営んでいる店「万事屋」な。
とりあえず中に入って。』