白蝶編
□第3訓
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『お茶入りましたよ。』
と、今度はコトン、と茶を出された。
幸恵『あ、ありがとう。』
さっそく湯飲みに手を伸ばし、一口飲んだ。
冷えた体がポッと暖かくなるのを感じる。
ふう、と一息ついた。
*
銀時『一段落ついたところで、幸恵ちゃん。
色々と事情を聞きたいんだけど。』
そう切り出したのは銀時だ。
幸恵はハッとしたように姿勢をただし、ゆっくりと口を開いた。
そしていままでの経緯を、丁寧に話していった。
銀時『……ヘェ。
まるで漫画みたいな展開だな。』
一番最初に口を開いたのは、銀時だった。
質問したのは銀時だから、まぁ妥当な返答をする。
神楽『そりゃ大変だったアルな……。』
腕を組みながら、神楽は唸るようにそう言った。
そしてその言葉を最後に、沈黙が続く。
仕方ないだろう。
異世界からトリップしてきただなんて、そんなこと急に言われても、さすがに信じがたい。
幸恵もそれは百の承知で打ち明けたのだ。