白蝶編
□第3訓
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幸恵『……じゃあ、私はここで失礼します。』
空気の重みに耐えられなくなってきたころ、幸恵はそう言った。
どっちにしろ、万事屋に迷惑をかけることになるから、長居はしない気だったのだ。
立ち上がろうとした、その時だった。
銀時『ちょっと待てよ。』
そんな声が聞こえた。
びっくりして、反射的に目を見開く。
おそるおそる銀時の顔を見てみると、銀時も幸恵を見ていた。
銀時『この先アテあんのか?
ここ出ていって、どこに行くんだよ。』
低い声でそう言われて、思わず体がすくんだ。
……アテは、ない。
黙ったままでいたら、また銀時が声をかけた。
銀時『万事屋に住むか?』
耳を疑った。
それができるなら、どれだけいいことか。
幸恵『でも、そんなことしたら万事屋のみんなに迷惑が』
銀時『迷惑なんて言うんじゃねぇ。』
話してる途中で、そうとぎられた。
目の奥がじんわり熱くなってくる。