新訳ミツバ篇
□第1章
3ページ/4ページ
一方、総悟は山崎の首元に刀を向けていた。
総悟『すんません、コイツ片づけたら行きやすんで。』
その様子を見て、ミツバが眉を下げて言った。
ミツバ『そーちゃん、ダメよ、お友達に乱暴しちゃ。』
そう言ったミツバをギロッと睨み付ける総悟。
山崎から手を離し、ミツバのそばへ寄った。
そして、ガバッと土下座をした。
総悟『ごめんなさい、おねーちゃん!!』
山崎『えええええ!!』
総悟が土下座するところを見て、度肝を抜かれたように驚く山崎。
近藤は笑っていた。
近藤『ワハハハハハ!
相変わらずミツバ殿には頭が上がらんようだな、総悟。』
山崎は土下座している総悟がミツバに頭を撫でられて頬を赤くしていることに呆然としていた。
土下座をした状態のまま、顔だけ少し上げた姿勢で、総悟は口を開いた。
総悟『お久しぶりでござんす、姉上。
遠路はるばる、江戸までご足労ご苦労様でした。』
山崎は、そんなことを言う総悟を見て、冷や汗をかきながら少し引いたような顔をした。
そして、今まで見たこともない総悟の様子に「…誰?」と呟いた。
近藤『まァまァ姉弟水入らず、邪魔立ては野暮だぜ。
総悟お前、今日は休んでいいぞ。
せっかく来たんだ。
ミツバ殿に江戸の街でも案内してやれ。』