新訳ミツバ篇

□第5章
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一方、総悟はクルッと体の向きを変えた。

総悟『それじゃ姉上、僕はここで。』

そう言って歩き出したときだった。

ミツバが慌ててひき止める。

ミツバ『あっ、そーちゃん!』



総悟は体はそのまま、顔だけミツバに向けて立ち止まった。

ミツバ『…あの…、…あの人は、』

そう言っている最中、総悟は急に顔を曇らせた。

そして少し怒ったような、引っ掛かったような表情をして、言った。

総悟『野郎とは、会わせねーぜ。』



その言葉には敬語を使わず、我のままな口調で喋る。

総悟『今朝方もなんにも言わず、仕事にでていきやがった。

薄情な野郎でィ。』

それだけ言い残すと、総悟は隊服のポケットに手を突っ込んで、スタスタ歩いていった。



その後ろ姿をじっと見て、やがてミツバは溜め息を吐く。

ミツバ『……仕事か。

相変わらずみたいね。』

その顔からは、どことなく残念そうな気持ちが伝わってくる。



一方、銀時はやれやれ、といったような表情をしていた。

銀時『オイオイ…。

勝手に巻き込んどいて、勝手に帰っちまいやがった。』
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