新訳ミツバ篇
□第8章
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そこでミツバは、店に用意してあった唐辛子を、そばにかけて全て使いきった。
近藤『あーあーあ!
ちょっとォォ!!
ミツバ殿ォォ!?
ダメだって、そんなに唐辛子かけたら!
何回言ったらわかるの、身体に障るって…。』
席から立ち上がり、ミツバに向かってそう叫ぶのは近藤だった。
一方、ミツバはそばを見つめて口を開く。
ミツバ『だって…、おいしいんだもの。』
首をななめに傾けて、ねだるような顔をした。
だが近藤は首を横に振る。
近藤『だものじゃないよ!
絶対、身体に悪いよ!
真っ赤だものォ!!』
額に冷や汗を浮かべてツッコむ。
そして眉間にシワをよせ、続けて叫んだ。
近藤『まったく、近頃の若者は味覚がおかしい!
なァ、トシ!』
そう言って土方のほうを見るも、それはそれで驚愕する。
土方は、そばが見えなくなるほど大量のマヨネーズを、そばにかけていたのだ。
そのマヨネーズは、ニュル、ニュル、ニュル、という音をたてている。
土方はそれを表情1つ変えずに、普通に頬張った。