新訳ミツバ篇
□第9章
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山崎をじっと見ながら、ミツバがそう言う。
山崎『しまったァァァァ!!』
山崎は驚いて体をグイッとおこした。
その拍子に頭がベッドの底に激突する。
ガタッ
鈍い音がした。
頭をさすっていたら、銀時から足蹴りされ、頭もズキズキして、山崎は涙目になりながら『いだだ!』と叫んだ。
*
だいぶ日も暮れ、空がオレンジ色に染まったころ。
一方の総悟はというと、屯所で土方と、竹刀で打ち合いをしていた。
五分五分の力で一瞬も気が抜けない状況で、総悟は話していた。
総悟『近頃、姉上の周りをかぎまわらせてるようで。
一体どーいうつもりなんですかね。
これ以上、姉上の幸せブチ壊すのは、やめてもらいてーんですが。』
激しい打ち合いのなか、息も切らさずにそう言う総悟。
土方もそれに劣らず、平然とした様子で答える。
土方『「転海屋」
不逞浪士と大量の武器を闇取り引きしている嫌疑が、かかってる。』
総悟『!』
その言葉を聞いて、声には出さずも顔を驚かす総悟。
どうやら知らなかったようだ。
土方はそのまま続けた。