ベストコンビ

□天然と天然
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えー、

どうも、



みゆのクラスメートです。



ただ今ウチのクラスに
みゆの彼氏の本郷奏多が来ました。



女子が悲鳴のような歓声をあげていて、
煩いったらありゃしない。



まぁ、当の本郷君はみゆにぞっこんなんだけれども。




「奏多、あーんしてっ」



お弁当の卵焼きを食べさせてあげるみゆ。

それをにこにこしながら口を開ける本郷君。



バカップルかコラ。






「多少は周りの目を気にしなさいなあなたたち。」




「え、みんな見てるの!?」

「……俺気付かなかった」

「私も……」



ここまで注目されても
全く気付かないとはツワモノだ。



「あ、そーだ!!今日ね、奏多にお菓子作ってきたの!!」


「本当に!?やった!!」



子供みたいにきゃっきゃと喜ぶ二人を脇に、

私もお弁当を広げ始める。



まだ教室はざわついていて煩い。





「おーっ、うまそっ!!」


「ありがとうっ。」




目をやると

机の上にはワンホールのシフォンケーキ。



ちなみに弁当は放置。

てかワンホール食えんのか。




「……二人で食べるの、それ。」




試しに尋ねると

みゆは満面の笑みで横に首を振った。




「あ、もしかして食べたい?」


「いや、私はいい…てかそれ食べ切れるわけ?」


「え?二人じゃないよ、一人だよ?」


「………は?」





呆然とする私。


すると本郷君がシフォンケーキをフォークで切り、

ぱくりと口に運んだ。






緊張した面持ちのみゆ。



何かの試験か。












「………うん、合格!」


「やったぁ!!ありがとう奏多!!!」





試験だったのかよ。







つか、


これ本郷君一人で食べるって






……彼、実は大の甘党なのか?







「あ、奏多。クリームついてるよー。」


「どこに?」


「ここー。」




そう言ってみゆは

本郷君の唇の端についたクリームを指先ですくうと

それをぺろりと舐めとった。




また上がる悲鳴。

あー煩い。






「ありがと、みゆ。」




本郷君がみゆの頭を撫でる。

あ、みゆ嬉しそう。





「ねぇ、家とかでもそんな感じなの?」




尋ねると
みゆはうーんと唸った。





「家ではねー、奏多のお膝に座ってテレビ見たり、二人でお昼寝したりだよー。」


「よく俺の家で寝てるよね。」

「ねー。」







………なるほど


コイツらつまり、










天然と天然








(「みゆ、もう少し恥じらいを知りなさい」)

(「なんで?」)

(「…やっぱり無自覚か」)

(「大丈夫、みゆがそのままでも可愛いよ。俺が保証する。」)

(「お前もだ本郷君。」)







End.










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ただのバカップルを

みゆさんのお友達がツッコミに徹しつつ観察していただけのお話←






 

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