生徒K.H

□愛してますよ、先生。
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僕の好きな人は、

担任の松坂みゆ先生。



生徒と教師の禁断の恋愛って、なんだか素敵でしょ?




みゆ先生はみんなから人気があるから
正直嫉妬しまくりなんだよね。




「本郷見たかよ!?今日のみゆ先生、後ろで髪まとめてんの!!」

「色っぽいよなー!!」

「そうかな。俺は下ろしてる方が好きかも。」





ほら、またこうやって他のヤツがみゆの噂をするんだ。




「本郷羨ましーよ、みゆ先生と仲良くてさぁ。」

「だったら代表委員立候補したらよかったのに。」

「ほんとだよ。みゆ先生が担任だって分かってたら全力で立候補したのによぉ。」







まぁ、その時は僕だって全力で立候補してやるさ。




内心でそう呟きながら、僕は周りの奴らに合わせて笑うんだ。








「本郷君、昼休みに先生のとこ来てもらっていい?冬休み課題綴じるの手伝って欲しいの。」



「あ、はい、分かりました。」








噂をすれば、なんて思いながら僕は愛しいみゆに笑顔で頷く。



昼休みはみゆと一緒。


それが何よりも嬉しい。



でも敢えてその喜びを顔に表さないように
僕は頬を緩めないよう気をつけた。








「いいなー本郷だけ…。」

「え?だって代表委員だからだし…。」

「あのみゆ先生と二人っきりになれるの、お前の特権じゃん。」

「うん、そう、かな。」






曖昧そうに相槌を打ちながらも

頭の中はみゆのことだけ。





みゆを独占できるのは
確かに僕の特権だ。





代表委員、ではなく











恋人、としてね。













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「ねぇみゆ。」



「んー?」







プリントを綴じながらみゆへ顔を向けると


ちょうどみゆもプリントの山から顔を上げた。


















「愛してるよ、誰よりも。」






「……………ッはぁ!?」
















ほら、



可愛いから






またからかいたくなっちゃうじゃないか。
















愛してますよ、先生












(「い、いきなり何言うのバカナタ!!」)

(「バカナタで結構。みゆバカだから。」)

(「〜〜〜〜〜〜ッ!!!!」)









End.

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