妖精の尻尾【中編】

□学校*
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先日マスターの案で急遽始まった学校。
妖精の尻尾の魔導師達は、ぶーぶーと文句をいいながらも、楽しそうにいつものようにギルドに集まる。

「・・・教室って、いつもの酒場なのね・・・」
カウンターに座って、あきれるようにルーシィが呟く。

『おはよ〜!ルーシィ!』
「あ、おはよう。ベル」
『ハッピィも授業受けるの?』
「あい」
「・・・・ナツは?」
「寝坊です」

「あいつは初日からやる気ねぇなぁ」
「グレイ、あんたどうでもいいけど、服着たら?」
「うぉっ!」
『さっきまで着てたのに・・・・』

「ね〜、ルーシィ、ベル、これ見て!」
ミラが嬉しそうにカウンターから出てくる。

「なぁに?これ?」
「学校といえば制服!でしょ?」
「わぁ、かわいい!」
『えー、スカート短すぎじゃない?』

「着てみようよ!」
「どうだ?」
「・・・エルザ、おはよう。・・・もう制服着て、はりきってるのね」
「身だしなみは、大切だからな」
エルザはピシッと襟を整える。

「着て来いよ」
「ほら、グレイもそう言ってるし。ってかあんたも服着なさいよ」
「おわっ」
『じゃ、着てみる』

----------二分後。
『や、やっぱ、はずかしいよぉ』
普段ベルはショートパンツスタイルが多く、スカートはあまり履かない。
「ほら、行くわよ」

ルーシィが先に出てくる。

「どう?」
「あい、・・・どうって言われても、いつもとあんまり変わんない」
「なによ〜ハッピィ!」
「ルーシィは、いつもコスプレしてんだろ?」
「してないっ!」

「おやぁ?こんなとこで隠れてどうしたの?ベル」
『・・・・だってぇ』
「学校の制服コスプレ?」
『・・・・・違うってば、もう』
「似合ってるよ?ほら、皆にみせてあげれば?」
『うぅ・・・・』

ロキはベルの手を引き、ベルと出てくる。
『・・・・どう?』
グレイは口をあけたまま言葉も出ない。
『・・・やっぱ、変なんだぁっ』
「・・・・や、そ、その・・・(か、可愛すぎだろ・・・萌えるぜ)」

「・・・グレイ、目つきがいやらしいわよ」
「んなっ?!」
「駄目よ〜、その格好であんな変態の前ウロウロしちゃ」
『ルーシィ・・・////』

「ルーシィっ!てめっ・・・」
「ベル、可愛いよ!」
『ありがと、ハッピィ』
「ほんと、これから始まる学校生活に胸がときめくよ」
「・・・ロキ。あんたよくそんな歯が浮くような台詞を堂々と言えるわね」

「ベル!その格好どうしたんだ〜?!」
『あ、ナツ。おはよ〜・・・きゃっ』
「可愛いじゃねぇか〜」
ガバッとベルに抱きつく。

「んな?!(俺だって抱きしめたい衝動をがまんしてるのにっ!本能のまま行動しすぎだぞ!ナツ!!)」
『ちょっと、ナツ、くるし〜』
「ナツ、てめぇ、離れろっ」
「しかも、いい匂いする・・・」
「こんのエロ炎!!離れやがれっ!!」
「やぁいてるぅ」

「ち、ちげぇよっ!」
グレイはそう言いながらナツをぶっ飛ばす。
『・・・ぐれい?』
「あ?・・・・な、なんだよ?」
『グレイ、制服嫌いなの?』
「や、(そ、そんなわけね〜/////)」
『やっぱり、似合わないかなぁ?』

「にっ・・・」
『に?』
「似合って・・・るぜ。その・・・」
『?』
「可愛い・・・」
『ありがと』
へへっと笑う。
(その笑顔は反則だろ!!可愛すぎる!!もう、我慢できね〜っ!!)
ガバッとベルを抱きしめようとしたその時・・・

「ベル!!おいらもぎゅーってしてよ〜!!」
ガバッとハッピィがベルに突撃する。
『きゃっ!ちょ、ハッピィ!!』
ベルはバランスを崩し、後ろへ倒れる。
スカッと抱きしめる対象物がいなくなったグレイは思いっきり自分を抱きしめる。
ドッターン・・・・

「・・・・何してんの?グレイ?」
ルーシィが自分を自分で抱きしめているグレイに突っ込む。
「え?あ、あれ?!」

「ベル、パンツ見えてるぞ////」
嬉しそうにナツが覗きにくる。
「んな?!//////」
『やだっ!もう〜っ!!ハッピィ!!!』

「ぐっジョブだねb ハッピィ!」
ロキがグッとハッピィに親指を立てる。
バッとベルは起き上がると、スカートを押さえる。

「おいらも見たかった〜」
「ハッピィ、そんなことで泣かないの!私の見る?」
「おいら、ルーシィのは良く見るから別にいい・・」
「失礼なネコね!ってかよく見るってなんなのよ〜!」

『きゃ〜っ、ちょっとグレイ!!』
「あ?」
「・・・鼻血出てるわよ」
ルーシィがあきれる。
「うおっ!」
「ふっ・・・・あおいな・・・」
ロキがつぶやく。

「さすが変態ヤローだな」
「うるせぇ!くそ炎・・・・ってかおまえも出てんじゃねぇか!」
「ぬぉっ!」
「・・・・二人とも馬鹿」
「あい」
ルーシィとハッピィがタメ息をつく。

「「ベル〜」」
『やだっ!こっち来ないでっ!!こわーい〜っ』
本気で涙ぐむベル。
「「き、嫌われた・・・・・(がぁ〜んっ・・・・でも涙ぐむベル、かなり萌える・・・)」」

ナツとグレイは呆然と立ち尽くす。

「さぁ、僕が変態ヤロー達から守ってあげるよ、ハニー」
ロキがベルの腰に手を回す。
『ろ、ロキ?!』
「・・・・あんたも充分変態の仲間よ、ロキ」
「ふっ、ルーシィ。甘いな・・・僕ならもっとすごい事・・・」
「「その手を離しやがれっ!!」」
『いやぁ〜っ!!そのカオ顔で寄ってこないでぇっ!!』

バタバタと逃げ出すベル。
((が〜んっ))
またもショックを受ける二人。


「ところで授業はいつになったら始まるのかしら?」
カウンターから騒ぐ皆を見守るミラ。
馬鹿騒ぎはまだまだ続く・・・・・。
 

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