妖精の尻尾【中編】

□学校**
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ようやく授業が始まったのはお昼過ぎからであった。
「・・・・眠い」
『私も・・・あふ・・・』

「・・・・であるからしてぇ、これはぁ・・・・ぐぅ」
『・・・マスター、教えながら寝ちゃってる』
「・・・・なんなのよ、もう(笑)」

「そこぉ!寝るんじゃないっ!!」
ビシビシィ!!とエルザがチョークをナツとハッピィに飛ばす。

「「ぬほっ!!」」
「ばか炎」
「・・・るせ」
ナツがグレイの足を蹴る。
「てめぇ!何しやがる!」
「グレイ!うるさいぞ!廊下に立ってろ!」
「んな?!」

「ね、これ新発売のお菓子なの」
『わ〜、おいしそっ』
「ベル!!何を食べてる?!」
ギロッとエルザが睨む。
『あ・・・』
「おまえも廊下に立ってろ」
『・・・はい』

ルーシィが小さくごめんねっと合図する。
気にしないでと笑顔で教室を出て、グレイの隣に立つ。

「なにやってんだよ」
『そっちこそ』
二人とも仲良く両手バケツを持つ。

「・・・持ってやるからよこせよ」
『そしたら罰にならないよ?』
「い〜んだよ、オレの方が体力あるからな」
そう言ってバケツをベルから取り上げる。
『ありがと』

「あ!」
『え?』
「蜘蛛・・・今、胸の谷間に・・・」
『え?!やだっ・・・ほんとだっ!・・んっ・・・』
「お、おま・・・(・・・・悶えんなよ)」
『と、とって、グレイ・・・早くっ』

「だ、だって、・・・い、いいのか?////」
『は、はや・・・くぅ・・・、あっ・・・』
グレイのシャツにつかまる。
『やっ・・・くすぐったい・・・』

「・・・じっとしてろよ・・・////くっ・・・つかまんねぇ・・(ってか手が震えて捕まえられねぇ////)」
『やんっ・・・、ぐ、ぐれ・・い、はや・・・く』
「くそっ・・・アイスメイク・・・・」
パキィン・・・蜘蛛はグレイによって凍りつく。
『ひゃぅっ・・・!///』
ぐっとシャツを握る手に力が入る。

「ぐえっ、おまえ、そこ身だから」
『あ、ご、ごめん・・・』
「ほら、とれたぞ」
『あ、ありが・・・と』
「・・・おぅ。/////(こちらこそご馳走様)」

『・・・にやけてる』
「あ?にやけてねぇよ」
『エッチ』
「なっ・・・お前がやれって言ったんだろ?」
『そうだけど・・・、にやけないでっ!』

(それにしても・・・あのシャツ握る姿可愛かったな・・・)
『・・・またにやけてる』
「あ?」
『変態』
「なんだと・・・?」

「廊下に立ってなさい!!!」
教室からはまたエルザの罵声が聞こえてくる。
今度は誰が立たされるのか・・・と見ていると
「『マスター!!』」
「くすん・・・」
『何やってんですか・・・』
「居眠りしたらエルザに怒られてのぉ・・・昼ごはん食べたら眠いじゃろ〜」
「『・・・・・マスター』」

その後、妖精の尻尾のほとんどが廊下に立たされ授業にならなかったとさ。

「うるさいぞー!!!廊下!!!!」
エルザの罵声が廊下に響き渡る。
 

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