妖精の尻尾【中編】

□魚釣り
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『ひ〜ま〜・・・』
ぐてぇ・・・とギルドのカウンターに座って、うな垂れるベル。

「あら、グレイは?」
『ジュビアとクエストに行った・・・』

マスターに言われて、ジュビアのお世話係をしてるグレイ。
ベルもガジルのお世話係だ・・・一応。
でも、ガジルは大体、一人でクエストに行く。

「ふふふ、それはさみしいわね?」
『そんなことないけどー・・・暇なのは嫌』

「クエスト行く?」
『グレイが一人で絶対に行くなって』

「くすくす・・・しょうがないわね」
ミラは片づけをしながら、ベルの相手をする。

「なら、ベル。おいら達と一緒に行かない?」
『え?ほんと?』
「うん!これから準備して行くとこなんだ」

『どんなクエストなの?』 
「魚釣りだよ!貝殻を食べる鳥の形をした魚なんだ」
『・・・・複雑ね』

「その貝殻は、とっても貴重なんだ。オイラ宝物にするんだ」
『くすくす・・そうなの?素敵なクエストね』

「やめた方がいいわよ〜ベル。どうせ、すぐ飽きちゃって人任せにするんでしょ」
「ルーシィが意地悪」

『ルーシィは一緒に行かないの?』
「う〜ん・・・この天気だしねぇ」

外はどしゃじゃぶりである。
「でも、こんな日じゃないと、貝殻鳥魚は獲れないんだ!」

『そうなの?よし!じゃ、行こう!』
「え?行くの?!」

『え・・・行かないの?』
「風邪引くよ・・・やめときなよ」
あきれたようにルーシィが言う。

「なんだよ、ルーシィ。へっぽこだな」
「ルーシィ、冷たい・・」
「はいはい、なんとでも言いなさいよ。私は行かないわよ」
「「ケチ!!」」

『ほらほら、二人とも・・・ルーシィは執筆に忙しいのよ?』 
「さすが、ベル!よくわかってる!」

『次回作、楽しみにしてるから!』
「うふふ、ありがと」

『じゃあ、行きますか!』
「「おー!!」」

「あら、川が増水してるって言ってたけど、大丈夫かしら?」
「ま、ベルがいるし、無茶はしないと・・・思うけど・・・」

「「・・・・・・」」

「ま、大丈夫よね?」
「そうですよ。大丈夫」


「なあ、ハッピィ、その魚ってどの辺で釣れるんだ?」
「あの川の先のほうだよ」
『わぁっ・・・すごい雨ね・・・』

「カッパうっとうしいな・・・」
『ね?なんかあんまり着てても意味ないよねー』
「脱いじゃうか?」
『そうしよ!』

「うひゃひゃ・・・気持ちいいぞ〜」
『ほんと・・・天然シャワーだねー』
「ナツ、ベル、真面目に釣ってよ」

『ごめんごめん』
「お、わりぃな。ハッピィ」


二分後----------------------------
「飽きてきました」
「出たっ!」

『もー、しょうがないな・・・』
「だって、全然釣れないんだもん」

『そうだね・・・でも、せっかくハッピィが宝物にしたいんだから、私はもうちょっとがんばるよ?』
「・・・ベルは、優しいなー」
「オイラもがんばる!」
「おー!みんなでがんばろうぜぇ」


『ね?あそこで跳ねたの何とか魚じゃない?!』
「ほんとだ!!ナツがんばって!」
「オレかよ!ぬぉ!なんか食いついたぞ〜!!」

『きゃ〜、がんばれ!ナツ!!』
「ぬぉぉっぉぉ!!!」
ザプンっ・・・ビチビチ・・・

『ハッピィ、これ?』
「・・・うん!わーい!貝殻持ってるよ!」
『よかったねー』
「あい!」

『ナツもお疲れ様』
「おう!ベルもな!」

「この魚はルーシィのお土産にしよう」
『え?魚たべなくていいの?』
「・・・この魚はすっごくまずいんだ。意地悪ルーシィのお土産にするんだ」
『・・・ハッピィったら』
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