SHINee girl

□デビュー
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ダンスレッスン室で机に頭を寄せ考えるオニュ、ミンホ、ヒョンジュン、テミン。

「・・・・で、どうする?」
彼らのマネージャー予定の彼が問う。

「「「「う〜ん・・・・・」」」」
オニュ、テミン、ジョンヒョン、ミノは見せられた資料を前に唸る。

四人とマネージャーが悩んでいるのは、今度デビューする自分達の仲間になるメンバーを選んでいた。

「テヒョンは・・・ずっと一緒にやってきたけど・・・・なぁ・・・?」
ジョンヒョンは頭を掻きながら、それとなく避ける。

「気が強くて・・・苦手なんだよね?」
テミンがおかしそうに笑う。

「うるさいぞ、テミン。お前だって苦手だろ?」

「実は、カヨを入れようと思っている。」
マネージャーが腕を組みながら発表する。

「ああ、あいつならしっかりしてるし、みんなをまとめる力もあるよな」
ジョンヒョンが頷きながら言う。

「で、あと一人・・・妹的な感じの子を入れたいんだが・・・」

四人は資料を目の前にして、そして一枚のプロフに四人とも目が止まる。

それをマネジャーは手に取る。
「アリア・・・で全員一致・・・のようだな?」

無言で全員一致の意思をマネージャーが確認するとにやっと四人は笑う。

「よし、わかった。じゃ、決定だ!」
資料を片手にマネージャーがレッスン室から出て行く。

「ニヤつき過ぎだよ、ヒョン・・・」
ミンホがあきれたようにつぶやく。

「な、なんだよ、おまえだって・・・・」
頬を微かに赤く染めながらジョンヒが言う。

「そりゃ、アリアが、入ってくれたらいつでも一緒にいられるしなぁ」
ミンホも頷く。

「だろ?!」
いししっとジョンヒが笑う。

「ま〜・・確かに妹的存在ならアリアしかいないよね」
オニュが頷きながらつぶやく。

「あ〜楽しみだっ!」
伸びをしながらテミンが叫ぶ。

「テミンはカヨに叱られないようにせいぜい気をつけなきゃな」
いひひっっとジョンヒが笑う。

「なんだよ〜ジョンヒだって、カヨによく怒られてるじゃんか」

わいわいと四人が楽しそうにしゃべっているとマネージャーが、二人の女性と一緒に部屋に入ってきた。

「よし、じゃ、新メンバーだ」

「「「アリアっ・・・・・・とカヨ」」」

「あんたたちシバかれたい訳?!その反応」
カヨが眉間に皺を寄せジョンヒ、テミン、ミノを睨み付ける。

「オニュ〜っ」
アリアはきゃっきゃっとオニュに抱きつく。

「あいかわらず仲がいいわよね?あんた達」
オニュとアリアをみながらカヨがあきれる。
アリアとオニュは従兄弟なのだ。

「ま、まさに妹みたいなもんだからな」
不満そうにジョンヒが呟く。

「みんなと一緒にやるなんてすっごく嬉しいっ」
キラキラと瞳を輝かせながらアリアが言う。

「僕もだよ!アリア!!」
テミンがアリアの肩を組む。

「オレも嬉しいぜっ!」
ジョンヒがアリアの腰に手を回し、アリアをテミンから引き離そうとする。

「あらあら、アリア大人気ね。これから毎日顔つき合わせることになるんだからそんなとこで取り合いしないの」

「カヨがきてくれて嬉しいよ」
顔を赤らませながらオニュはカヨの手を引き寄せる。

「はい、はい。ほら、打ち合わせするわよ。アリアはこっちおいで」
カヨは自分の隣の席にアリアを座らせる。

「言っとくけどあんた達、アリアは私の可愛い妹分なんだから、手ぇだしたら承知しないわよっ!」
ジロリとテミン、ジョンヒ、ミンホをにらみ付ける。
「「「(こぇ〜・・・・・)」」」

「じゃ、始めるぞ。リーダーはカヨ、サブはオニュだ。このグループは、女性からも男性からも好かれるように複合グループになった。幅広い世代のファンの獲得をめざすぞ!!・・・・というわけでこれスケジュールな」

「なんだよ、これっ!!」
そこには一週間の予定が分刻みでビッシリと埋まっていた。

「ひぇ〜・・・・」

「・・・・いつ寝るの?」

「ま、デビューは間近だからな・・・がんばれよっ!」
カラカラと明るくマネージャーは笑う。
((((・・・・人事だ(怒り)・・・・・))))

「とりあえず明日までにこの曲覚えとけよ。デビュー曲だからな」
ぱぱっとみんなに歌詞とレコーダーを渡す。

「・・・なんでそんな大事なことをさらっと言うわけよ?」
カナが不服そうに文句を言う。

「はっはっはっ!ま〜がんばれ!」
マネージャーは片手をヒラヒラと振りながら部屋から出てく。

「あ、結構ノリのいい曲ね」
早速カヨは曲を聴きだす。

「あ〜カヨちゃん、もう聞いてるっ!私も覚えなきゃっ」
あせあせとイヤフォンを耳に当てる。

他のメンバーもそれに習ってそれぞれ曲を聴き始める。

アリアは曲を聞きながら、鼻歌を歌う。
テミンはそんなアリアを見ながら微笑む。
そしてアリアの鼻歌に合わせて歌を口ずさむ。

そんなテミンの視線にアリアが気づく。
「ん〜?」
なぁに?と目でテミンに聞くと、
テミンが口パクで『じょ・う・ず』と言う。
アリアが『あ・り・が・と』と笑顔で返す。
そんな微笑ましい二人の雰囲気にジョンヒがたまらず割り込む。

「・・・・何やってんだよ、おまえら」
ジョンヒが不満そうに二人の間に割って入る。

「なんだよ〜ジョンヒー」
ぶぅとテミンが頬を膨らませる。
文句言うテミンを押しのけてアリアの隣へ座る。

「アリア、歌ってみ?」
ジョンヒはテミンに背を向け、肩肘を机についてアリアの顔を覗き込み、にっこりアリアに微笑む。

「・・・・まだ歌えないよ・・・ジョンヒみたく上手じゃないもん〜」

「アリアは可愛いな〜・・・」
照れるアリアを愛おしそうにジョンヒは微笑む。

「も〜なによぉ・・・真面目に覚えてるんだからねっ!」
可愛いと言われて頬を赤く染めるアリア。

「じゃ、ほら、俺がメイン歌うから、歌ってみ?」
ジョンヒはアリアの髪を指先にくるくる絡める。

テミンがカヨにジョンヒがっ!とジェスチャーで告げ口する。
やれやれとテミンの合図に気づいたカヨが立ち上がる。

「ちょっとっ!ジョンヒっ!!アリアに絡み過ぎよっ!あんたメインパートなんだからちゃっちゃと部屋帰って集中して覚えなさいよっ!!!」
バシンッとカヨが机を叩く。

「ぬおっ!」
がたっと椅子からずり落ちるジョンヒョン。
そーだ、そーだと、テミンがアリアを取られて悔しかったのか、手を叩いて喜ぶ。

「あんたもよっ、テミン!メインダンサーなんだから!」

「・・・はい」
テミンは子犬のようにしゅんとする。
アリアはよしよしとテミンの頭を撫でる。

「カヨちゃん・・・そんな大声出したら回りに迷惑だよ〜・・・」
オニュが困ったように注意する。

オニュに言われコホンと咳払いすると
「じゃ、とりあえず今日は解散で・・・明日から振り付けも始まるからレッスン室に8時ね」

「「「は〜い」」」
それぞれ部屋に散って行く。

(まったく世話の焼けるやつらだこと・・・・これから大丈夫かしら・・・・。)
メンバーが部屋から出て行く姿をため息をつきながらカヨは見送るのだった。
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