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□にゃんにゃん。
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平和な朝の王宮に、
「うわぁああああぁあぁ!!!!!!」
ラピルの絶叫が響いた。
「!? ラピルッ!」
何だ、今の叫び声は!?
ラピルは滅多に声を荒げる事はないし、
ましてや今みたいに叫ぶ事もない。
…はずなのに。
「ラピル…っ」
どうか、あいつが無事でいるように
オレは走ってラピルの部屋に向かった。
「おいラピルっ!
どうした、大丈夫か!?」
部屋の扉をドンドンと叩く。
しかし、中から返事はない。
「…チッ。」
オレは軽く舌打ちすると、
手をドアの前に出した。
「ザケル!」
雷を放つと、ドアが焼け焦げて吹っ飛ぶ。
そのまま奥に進むと────
「ラピ、…ル?」
ベッドの上に座り込んでる、愛しき婚約者。
…何だ、あれ…?
「ちょ…っ、
ゼオン、勝手に入ってこないでよっ」
ラピルは慌てて毛布を被る。
しかし今確かに、
ラピルの頭に猫耳があった。
毛布からはみ出た尻尾がふるふると震えている。
「…おいラピル」
オレは半ば無理矢理に毛布を引き剥がした。
すると、露になった猫耳と尻尾。
猫化、ってやつか…?
そんな事を考えていると、
「な、なんかさっき起きたらこうなってたんだよぅ…。
どーしよ、ゼオンっ!」
ラピルは体の突然変異(?)に、
珍しく取り乱していた。