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□大好き。
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平和な王宮に、
「うわあぁぁあぁああぁあぁ!!!!!!」
ラピルの絶叫が響いた。
バタバタと慌てているように走り────、
「ゼオンっ!!!」
書斎に飛び込み、
仕事をしていたゼオンに抱き付く。
「…ラピル?」
ゼオンは驚いた様で瞬きを数度繰り返した。
ラピルはがばっ!と顔を上げ、叫ぶ。
「ブラゴに食べられてしまうよっ!!!!!」
「─────…は、?」
彼女の意味不明な発言は、
流石の雷帝も理解出来なかったご様子。
そのままラピルはマシンガンの様に喋り出す。
「あのね、ティオの部屋でチョコナッツ食べてたら寝てしまって起きたらティオが居なくてかわりにブラゴが居て、声掛けたら“そんな無防備にしてると、食うぞ”って言われてね僕食べれないよって言ったらそういう意味じゃねぇって言われてじゃあなんだいって聞いたら体で教えてやろうかって言われて食べられたくないからってゆーか普通食べられたくないに決まってるだろう!?だから慌てて逃げてきたんだよ僕は!!!」
…恐るべしノンブレス。←
「…はぁ。」
ゼオンはため息をついた。
「お前…、そこまで天然だとある意味恐いな」
「む、失礼だね。
僕は至って天然じゃないよ。」
ラピルの話を分かりやすくまとめると、
・ティオと遊んでいたらつい寝てしまった。
・気付いたらティオは居なく、
無防備だとブラゴに襲われそうになった。
…と、つまりこういう事なのだ。
食う=襲う
を、
食う=ブラゴに食べられてしまう!!
とラピルは脳内変換してしまっただけの話なのだ。
「…はぁ、まったく」
ゼオンは二度目のため息をついた。