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□変態雷帝。
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ごくごく平和な王宮に朝が訪れる。
────その一室にて
「…ん、」
心地の良い朝風に、ラピルは重い瞼を上げた。
「…む、何故風が入ってくるんだい?」
────窓、開けっ放しだったのかな。
窓を閉めようと起き上がろうとすると、
「…ん?」
ふわりと、頬に柔らかな感触。
一体何だと隣に居た“奴”を見ると、
ラピルは不愉快そうに眉を寄せた。
「…はぁ。
何してるんだい、ゼオン?」
ため息と共に隣に寝転がっている“奴”────ゼオンを睨む。
今現在のこの状況は、
ラピルを抱き締める形でゼオンが寝転がっているのだ。
「何って…、襲いにk」
「死ね変態」
朝から何なんだ、
とラピルは苛立ちがち(しかしそれでも無表情)にゼオンを蹴飛ばす。
壁が壊れる音がしたが、
彼女はそんなことは気に留めていないようだ。
「朝から一体なんなんだい、まったく。
僕は君と違って常日頃から欲情している訳じゃないんだよ」
「…常日頃から欲情してるだと?」
「うん、君がね」
「…フン、欲情するのは欲求不満だからだ」
「いやいやいやなに開き直ってるんだい?
そんなに欲求不満なら、そこら辺の女で解消すればいいじゃないか」
さらりとそう言い切るラピル。
…ゼオンは彼女の婚約者なのだ、一応。
一応、そのはずなのだが…。
はっきり言えば彼女は超!!マイペースだ。
しかもそれが苛立っていれば自分の発言の責任など放棄している。
ゼオンは一瞬絶句したが、
すぐにいつも通りの余裕綽々な笑顔に戻った。
「ほう、愛しい婚約者が浮気しても良いのか?」
「愛しいとか自分で言うなよ」
ラピルはゼオンを一瞥すると、
困ったように眉を下げた。
「良い訳がないだろう?
まったく…、
僕がそう言うのを分かっているくせに言わせたがるんだね、君は」
「好きな女に言ってもらった方が嬉しいだろ。
…それに、」
ゼオンはにやりと笑い、
「オレの相棒も喜んd」
「本当殺すよド変態」
まぁ、そんなこんなで今日も、
変態雷帝。
(…あのさ、ゼオン)
(なんだ?)
(何で腰に腕を回してるのかな?)
(だから、相棒が勃っt)
(死ね)
変態ちっくなゼオンさん☆((キラッ←