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□君とお散歩。
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王宮を出て数十分…。
現在ゼオンとラピルは街にいた。
「…おい、ラピル」
ゼオンが呼ぶと、
ラピルはくるりと振り向いた。
「ん? 何だい?」
「その手に抱えている荷物は何だ?」
ゼオンはラピルの持っていた荷物を指差した。
「あぁ、これかい?
…もう少し行けば分かるよ」
ラピルはそれだけ言うと、
また前を向いて歩き出した。
ゼオンは訝しげに眉を寄せながらラピルについていった。
「…着いたよ」
ラピルの声に気付いたゼオンが辺りを見回すと、
「…、川原?」
そこは川原だった。
小川がさらさらと流れて、
川辺には小さな花が咲いている。
…魔界にこんな場所があったなんて。
ゼオンがキョロキョロしていると、
ラピルが持っていた荷物を広げた。
その一つを川に突っ込み、ゼオンに向ける。
「…えいっ」
ピュッ、と。
ラピルの持っていたそれから、水が真っ直ぐ飛んだ。
水はゼオンの顔に直撃し────、
「!?」
ゼオンはハッ、と我に帰りラピルを見る。
「みずでっぽー、と言うらしいよ。
人間界に行った時、清麿にもらっ…」
「貸せ」
ゼオンはラピルの荷物の中から水鉄砲を取ると、同じように川の水を組んだ。
そして、ラピルに向けて撃つ。
ピュッ!
「む、冷たいじゃないか」
ピュッ、ピッ、
…ゼオンとラピルの水鉄砲対決は続いた。