メイン

□恋の勉強。
2ページ/3ページ




「…へぇ」

先程ティオから渡された漫画を読んでいるラピル。

ふいにぱたん、と本を閉じたかと思うと、
ゼオンがいるであろう書斎に向かって歩き出した。
















一方書斎では、ゼオンが仕事を真面目にこなしている。

ふいにドアが開き、愛しい彼女が顔を出した。

「ゼオン」

「どうかしたのか? ラピル。」

ゼオンは視線をラピルに移す。
ラピルは無表情のまま、ゼオンの正面に立った。

「────ゼオンに言いたい事があってね」

「?」

ラピルの意図が掴めず、ゼオンは首を傾げる。

ラピルはそのままゼオンを真っ直ぐ見据え、


「…好きだよ、ゼオン」


ふわりと笑った。

「…は…?」

突然の言葉と笑顔に、
ゼオンは間の抜けた返事しか出来なかった。

そんなゼオンに構わず、ラピルは続ける。

「一番、ゼオンが好き。
僕が見てるのは、ゼオンだけだからね」

ラピルは目を細め、
愛おしそうにゼオンに微笑んだ。

「…ラ、ラピル…?」

「だからね、ゼオン」

ラピルはそのままゼオンを抱き締め───、


「…僕は、君だけのものだよ」

甘く、淡く、囁く。
(↑本人は無自覚だが)

「─────…ッ」

その瞬間、ゼオンの中で何かが切れた。

 
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ