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□恋の勉強。
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「…へぇ」
先程ティオから渡された漫画を読んでいるラピル。
ふいにぱたん、と本を閉じたかと思うと、
ゼオンがいるであろう書斎に向かって歩き出した。
一方書斎では、ゼオンが仕事を真面目にこなしている。
ふいにドアが開き、愛しい彼女が顔を出した。
「ゼオン」
「どうかしたのか? ラピル。」
ゼオンは視線をラピルに移す。
ラピルは無表情のまま、ゼオンの正面に立った。
「────ゼオンに言いたい事があってね」
「?」
ラピルの意図が掴めず、ゼオンは首を傾げる。
ラピルはそのままゼオンを真っ直ぐ見据え、
「…好きだよ、ゼオン」
ふわりと笑った。
「…は…?」
突然の言葉と笑顔に、
ゼオンは間の抜けた返事しか出来なかった。
そんなゼオンに構わず、ラピルは続ける。
「一番、ゼオンが好き。
僕が見てるのは、ゼオンだけだからね」
ラピルは目を細め、
愛おしそうにゼオンに微笑んだ。
「…ラ、ラピル…?」
「だからね、ゼオン」
ラピルはそのままゼオンを抱き締め───、
「…僕は、君だけのものだよ」
甘く、淡く、囁く。
(↑本人は無自覚だが)
「─────…ッ」
その瞬間、ゼオンの中で何かが切れた。