10万打企画 BOOK2

□恋のキューピッド。
1ページ/1ページ


「あれ?どうしたの?顔色が悪いみたいだけど…」
「……大丈夫です…少し外の空気を吸ってきます」

そう言って外に出たはいいが悩みの種は尽きない

むしろ消えてくれない

「何でそんな窶れてるのよー、せっかくの色男が台無しよー!」

背後にピッタリと張り付いて離れない
自称、恋のキューピッド★

「(…誰のせいだと思ってる…!)」
「笑って笑って!笑う門には福来るっていうでしょう?」
「福なんかこなくていい、だから代わりに、目の前の冗談の塊が僕の視界から消えますように」
「面白い冗談ね!」
「………」

本当に何なんだコイツは

そんな事を思いながら後ろのキューピッドを見上げる

純白の羽に輝く髪、翡翠色の瞳を引き立たせるのは白い肌

何だってこんな幻覚紛いの物体が自分の元に現れたのか、心底理解に苦しむ

「お前が仮に本物の恋のキューピッドだとして…」
「本物だし」
「………もっと他に必要としている奴がいるでしょう…」

そこまで言うと、恋のキューピッドは困ったように笑って呟いた



手強いなあ




………何がです?必要だから降りてきたの……よく意味が分かりませんねふふふ






[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ