→リク
□スイカ割り
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夏と言えば海。
渋る若を半ば無理矢理連れてきた。
もちろん2人きり。
それなのにロマンの欠片も無ぇ。
「景吾さん…早くしてください」
「…ああ」
「…ん…そこじゃありませんよ!もっと右です」
「…この辺りか?」
「もっと左です」
「……チッ」
さっきからしている目隠しを外す。
すると目に入ってくるのは若の不満げな顔。
「なんで目隠しとるんですか…スイカ、まだ割れてませんよ?」
「うるせぇ」
スイカ割りを始めてから五分ほど立った。
若の、いつもよりはしゃいだ声を聞けるのも、それはそれで良いものだが。