→リク

□スイカ割り
1ページ/4ページ



夏と言えば海。

渋る若を半ば無理矢理連れてきた。
もちろん2人きり。

それなのにロマンの欠片も無ぇ。

「景吾さん…早くしてください」

「…ああ」

「…ん…そこじゃありませんよ!もっと右です」

「…この辺りか?」

「もっと左です」

「……チッ」

さっきからしている目隠しを外す。
すると目に入ってくるのは若の不満げな顔。

「なんで目隠しとるんですか…スイカ、まだ割れてませんよ?」

「うるせぇ」

スイカ割りを始めてから五分ほど立った。
若の、いつもよりはしゃいだ声を聞けるのも、それはそれで良いものだが。


次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ