誕生日
□財前
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「謙也ぁ」
部活前に、白石に呼び止められた。
「何や?」
ニヤニヤした白石の顔があり、振り返ったことを後悔する。
「『何や?』って何や?今日は財前の誕生日やろ?」
…覚えてたんや。
相変わらず抜かりのないやっちゃなぁ…。
「そやけど、何で俺に言うんや?」
「部活終わりにみんなでサプライズでもしよ、思たんや。一応謙也に許可とらな、何ややりにくいしな」
そう言って笑う白石はほんまに楽しそうで、少し興味が湧いた。
「別にええで?それに、わざわざ俺に許可取らんでも…俺は光の保護者や無いんやし」
「分かっとるわ…けど謙也は、財前が他の奴と楽しそうにしとっても妬いたりせえへんの?」
いきなり何言い出すんや?
それにそないなこと…
「…よー分からへんわ」