誕生日

□白石
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「白石ー!!ワイ、まだまだやれるで!」

「…金ちゃん…もう練習は終いや」

「いーやーやー!!まだ帰りとーない!」

「…しゃあないなぁ」

試合形式の練習が終わって、みんな疲れきっとるっちゅーんに…。

部室に入っていく皆を尻目に、このままでは騒ぎ続けそうな金ちゃんの相手をするべく、溜め息をついてコートに向かう。

「白石?まだ帰らんと?」

背後から手を掴まれ、驚いて振り返る。

「千歳…先に帰っとってええで。あのゴンタクレの相手…一回だけしてから帰るわ」

「…ばってん、白石も疲れとるんやなか?」

「…それは…そうやけど」

「ちょっと待っときんしゃい」

俺の返事も聞かず、金ちゃんの方へ向かっていく千歳。
端から見ると、身長差のせいで親子のように見え、少し笑える。

「金ちゃん、白石は疲れとるけん、試合はできんとよ」

「え〜!?そやかて、ワイ、試合したいねん!コシマエに勝つんや!」

「金ちゃんの気持ちも分かるばってん、でも、もし金ちゃんと無理に試合して、白石が倒れたりしたらどがんするね?」

「白石が…?そんなん嫌や!!…ワイ…今日は我慢する」

「金ちゃんは優しい子やね」

金ちゃんを上手く言いくるめ、頭を撫でてやる千歳。

…他意が無いっちゅーんは分かるけど…何となく面白ないわ。
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