お題
□指切り
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「不二先輩」
「どうしたの?越前、そんな顔して…」
部活中だからか、周りを気にしつつ此方に向かってくる越前の表情を不思議に思う。
不安げな瞳。
真一文字に結ばれた口。
…何か、気に障ることでもしたかな?
心当たりが無いため、此方まで不安になってくる。
「女子が…先輩のことばっか見てるから…何か気になって」
ボソボソと言われた言葉に目を丸くする。
可愛すぎるんだけど。
「ちょっと越前…手、出して?」
「…ん」
素直に差し出された手を両手にとり、右手の小指同士を絡める。
「何するんスか?」
「流石に皆が見てる前でキスは出来ないから」
約束。
「僕は誰よりも越前が好きだよ。ずっと。」
「っ…!///」
絡めていた指をそっと放すと、恥ずかしそうに下を向く。
練習に向かおうと、離れていく小さな背中が愛しくてたまらない。
不安にさせてごめんね。
…でも、たまには素直な越前も見てみたいかも…なんてね。
→後書き