跡日
□香水
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とある日の放課後。
誰もいない生徒会室で、俺は悩んでいた。
それは昼休みの忍足の一言がきっかけだった。
*
「なあ、跡部」
「…何だ」
人の気配がしたため、振り返ると忍足がいた。
若では無いことに思わず舌打ちする。
「舌打ちかいな…傷つくやん」
「うるせえ…俺様は暇じゃない。用があるなら早くしろ」
実際、会長としての仕事は溜まっていたため、イライラしていた。
「何や…ほんならええか。日吉の話なんやけ「それを早く言え」
若の話だと…?
たまには有意義な話するじゃねぇか。
「何や今日聞いた話なんやけど…日吉の好みのタイプ」
「…あーん?俺様に決まってんだろ」
「いや。全然ちゃうねん」
…何だと?
「何言ってやがる…!」
「清楚な人なんやて」
予想外の答えに呆然とする。
…清楚…清楚な人…?
「忍足…俺様は清楚か?」
「何言うてんねん。バラの香水つけとるやつが清楚なわけ無いやろ」
再び呆然とする。
俺は…若の好みじゃないのか?