跡日
□jealousy
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「俺様の美技に酔いな」
格下の学校との練習試合。
相手の学校(名前は忘れた)のマネージャーは、自分たちに勝ち目が無いのが分かっているからか、選手の応援すら忘れて跡部さんに見入っているようだ。
格下の学校相手に、わざわざ跡部さんが試合をするなんて珍しい。
…気まぐれな人だから、見ているだけ、というのに飽きたのかもしれない。
相手に点を取らせることなく、試合はストレート勝ち。
「…お疲れさまです」
「あーん?…疲れてねぇよ。タオル寄越せ」
戻ってきたかと思うと、ほとんど汗もかいていないくせに、タオルを催促する。
…何で俺が準備しないといけないんだ。
タオルを渡そうとして、ふと苦い気持ちが込み上げる。
「…そこら辺の女子からもらったらどうですか?」