跡日

□jealousy
1ページ/5ページ

「俺様の美技に酔いな」

格下の学校との練習試合。
相手の学校(名前は忘れた)のマネージャーは、自分たちに勝ち目が無いのが分かっているからか、選手の応援すら忘れて跡部さんに見入っているようだ。

格下の学校相手に、わざわざ跡部さんが試合をするなんて珍しい。

…気まぐれな人だから、見ているだけ、というのに飽きたのかもしれない。

相手に点を取らせることなく、試合はストレート勝ち。

「…お疲れさまです」

「あーん?…疲れてねぇよ。タオル寄越せ」

戻ってきたかと思うと、ほとんど汗もかいていないくせに、タオルを催促する。

…何で俺が準備しないといけないんだ。

タオルを渡そうとして、ふと苦い気持ちが込み上げる。

「…そこら辺の女子からもらったらどうですか?」
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ