*リク
□サプライズは計画的に
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「あの…景吾さん、何か欲しいものありますか?」
部活が休みの今日。
授業が終わり、教室まで迎えに行くと、唐突に若に尋ねられた。
「あーん?んなモン…今すぐお前が欲しいに決まってんだろ」
「!?っちが…そういうことじゃなくて…!!」
顔を赤らめ、焦ったように周りを見る若が可愛すぎて。
嫌がるのを承知の上で、引き寄せるために手を伸ばす。
「あ…俺、今日用事があるんで。先に帰ってください」
伸ばした手が止まる。
「あーん?何の用があるんだ?」
「…何でもいいじゃないですか。急いでるので…失礼します」
決まり悪げな表情で立ち去った若に愕然とする。
…用事とやらは…俺には言えないようなことなのか?
「宍戸さん!」
「おう、長太郎」
2年の廊下で暫く放心していると、聞き覚えのある声がした。
「あのな…長太郎、今日は少し用事があるんだ。先に帰っててくれねぇか?」
「あ、はい…分かりました。」
…あーん?
先程の若との会話に似ている。
「じゃあな」
「はい。また明日」