FE小話

□Baby, You're Mine
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それを待っていたかのように、ベオウルフはラケシスを抱え込み、彼女の頭をしっかり押さえると、己の唇でラケシスの口を塞いだ。

「〜っ!!」

ベオウルフはドアの外でどよめくギャラリーに対し、ラケシスに口付けたまま、『シッシッ』と片手を振る。
この後の展開を勝手に想像したギャラリーの1人がドアを閉めるのを確認すると、ベオウルフは抱きしめていた手を緩め、壁にもたれ掛かりそのまま座り込む。

「はぁ〜っ」

長いため息を吐く。
あんなことを人前でやりたくなかったが、あのまま長引かせたくなかったし、他に思い付かなかったのだ。

「…ったく、人前であんなことをするハメになるとはなぁ…」

苛立ちの混じった声で呟き、頬杖を付いて憮然とするベオウルフの前でしゅんとうなだれ座り込むラケシス。さっきまでの大胆な行動と態度は幻だったのではないかと思えるほどだ。


“ホントにまあコロコロと…忙しいお姫さまだこと…”

その変わりようにベオウルフも思わず苦笑し、ラケシスの頭にポンポンと手を置く。

「今なら誰も見てねえから、されてもいいんだけどな」

悪戯心が見え隠れするような発言にラケシスの目が大きく開く。

「な、何を…」
「俺を押し倒さんばかりに迫ってきただろ?」

ラケシスの顔が一気に耳まで赤くなる。

「あ、あれは…ネコがあなたにあんなことをするから…そ、それにあなただって…」

自ら『ネコに妬いてました』と認めるラケシスを見て、“やっぱり…”とベオウルフは口の中で呟く。
要はネコが『自分のもの』ににおい付けするのに対抗し、彼女も『ベオウルフは私のものよ』と主張したかったのだ。

“んなことしなくたって、とっくに…”

と、ベオウルフは思っているのだが、その口から出てくるのは別の言葉で…。

「今度は俺の番だな」

ニッと笑いながらラケシスを壁に追い詰める。

「あ…」
「イヤか?」

ラケシスが逃げられるようにしながらも、彼女の頬に指先でそっと触れる。

「…イヤなわけないでしょ…」

そう口にするのが恥ずかしいような表情のラケシスに顔を寄せ、柔らかい頬に触れると、ラケシスは微笑みながら目を閉じ、ベオウルフの広い背中に手を回した。

ベオウルフも満足気に笑みを浮かべ、彼女の頬や首筋に何度も優しく口付けた。



●END●



タイトルはBASIAの歌より。
この話、会話だけのもっと短い話としてWeb拍手に載せようと思ったのですが、え、えらく長くなってしまいました^^;

内容的には…甘い痴話ゲンカ? 焼きもちを焼くラケとそのラケに迫られるベオが書きたかったんです。
結局はベオ主導になっちゃうんですけどね。それに『スケベオ』だし…(-_-;)。

…ダメだ。ウチの二人、五章会話するとはますます思えなくなってきた(笑)

あ、ネコのモデルはウチのネコです。私も何回かされたことがありますが、妹は二、三日に一回はされてます。必ず風呂上りにします。やっぱ、におい付け?







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