FE小話

□雨水<うすい>
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彼と出会ってからというもの、あまりにも目まぐるしく何もかも変わりすぎて、それについていくのがやっとで…だが何を言っても言い訳にすぎないと、グラーニェは黙り込んでしまった。


「分かっているよ、グラーニェ。
全く知らないこの土地に来て、今でも大変だろうに…悪かった」


すまなそうに詫びると妻を腕の中におさめ、額に口付ける。

その言葉と優しい抱擁に、罪悪感から来る痛みも和らぎ、彼女も夫に寄りかかって目を閉じかけたがハッと我に返り体を離した。


「まだお仕事中でしょ!?ちゃんと終わらせるのも王の務めですわ!」


ピシャリと言われ、エルトシャンも苦笑した。


「やれやれ、手厳しいな。もう少しいいだろうに…」


と、またあのいたずらっぽい笑みを浮かべた。


「仕方ない。
今夜あなたと夜更かしするためにも早く終わらせよう」


かなりあからさまな言い方にグラーニェは頬を染めながらも、


「そうなさいませ。目的があった方がお仕事もはかどるでしょうから」


わざと固苦しく真面目ぶって答えると、言った方も言われた方もおかしくなって二人して笑いだした。


「ハハ…本当にあなたという人は…。
ああ、ところでさっきの『雨水』…だったか。確かにそうだな」


先ほどの勘違いを唐突に蒸し返され、グラーニェは戸惑った。


「え?あ…な、何が?」

「“雪が雨に、氷が水になる”…あなたと会わなければ俺に春は来なかったのだろうな」


「…!…エルト…」


私も…と言い掛けたグラーニェの唇は夫によって素早く塞がれた。




…言われなくてもエルトシャンには分かっていた。


この『春』はお互いがいなくては訪れないことくらい…。


●END●




どうでしたか、読み物は初のエルグラ…実は1年前から考えていた話でして…やっとお披露目;

『雨水』という言葉を知ってからエルグラで書きたい!と思っていざ書き出したら妙に長くなる長くなる(苦笑)長くなると携帯からの入力が大変さ!(更に笑)


え〜、エルトの性格・行動云々は今まで読んだエルグラ二次創作からかなり影響を受けていると思いますが、あのグラーニェさんにべったりなところ(笑)は、『エルトなら素面でやるだろうな』という私の考えというか希望も入ってます…エルト好きさんから石投げられませんように…;


グラーニェさんは淑やかだけど言う時は言うというか、気の利いた会話が出来るというか…私が書くとあまり上手く表現出来てませんが;


FEに二十四節気を当てはめるのもどうよ?というご意見もあるかと思いますが、こういう季節の言葉が好きなもんでその辺はご了承下さいね^^;


でもエルグラも楽しいですねv また書きたいです♪


…私は常々(?)ベオのことを『スケベオ』なんて言ってましたが、この話のエルトもベオに負けず劣らず…ゴニョゴニョ…;




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