*なんでやねん*

□第4話
1ページ/6ページ




白石side

金ちゃんに手を引かれて保健室を出て来たものの、当の金ちゃんは「はよ、準備して来てやー!」と言い残し、テニスコートへ走って行ってしまった。

ホンマ、なんやねん…。

「蔵リン、さっきの女の子変わっとったねぇ」
「ん?あぁ、○○さんか。」

取り残された、俺と小春とユウジで歩いている最中、小春が話しかけてきた

「やっぱりあの子が、○○●●ちゃんやったんやね」

さすが小春、というべきか。
情報量はピカイチや。

「小春、知っとるんか?」
「当たり前やないの、青学から転校してきた子やで」
「あぁ、いたな。そんなヤツ」

一方のユウジは春先、少しの間話題になった転校生の存在を今思い出したらしい。

「にしても、変わったヤツやったなー。お前に早く出て言って欲しいって感じやったで。」
「そうやねぇ。蔵リン、女の子にあんな態度取られたの初めてやないの?」

「女の子はいつも蔵リンにべったりやもん、ねぇ?」と俺に擦り寄ってきた小春に「浮気か!死なすど!」と怒るユウジ。
小春の言葉に、今日の昼休みに初めて会ったときの○○さんを思い出す。

朝、担任から保険医が出張だから昼休みと放課後、保健室に行けと言われた。
そういえばそんな仕事もあったなと思い出し、確か二人一組だったということも思い出した。
クラスに保健委員は一人だから、違うクラスの子とペアになるというとこや。
そのペアは面倒臭いから保険医が勝手に決めると言ったっきり、結局どこのクラスと一緒なのか知らされていない。
……できることなら男子であって欲しいと願った。
別に女子が嫌いっちゅうわけやないが…まぁ、積極的な女子は苦手や。
そんなことを思いながら保健室のドアを開ければ誰もいなかった
まだ来てないんやな、と思い弁当を広げて食べることにした。
まず、サラダを食べようとレタスを口に運んだその時、

ガラリと保健室のドアが開いた。



*

次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ