*なんでやねん*

□第7話
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財前side

「ん?千歳と金ちゃんどこ行ったんや」

朝練中、不意に聞こえてきた白石部長の声にそちらを向く。

「あ?ホンマやおらんな」
「いつもの放浪やろ」

謙也さんとユウジ先輩も気づいたようで部長の声に反応した。

「あいつらはホンマに…大会も近いちゅうんに」

部長はそんな言葉と共に「はぁ」と溜息をついた。

「ちょお探してくるわ。小石川、メニュー通り進めといてくれ。」
「おう。」

いつもなら放っておくのだが、さすがに大会が近いためか珍しく探しに出かけた部長。
部長のことや、どうせすぐ見つけて帰ってくるやろ。

…そう思っていた俺の考えは見事に裏切られた

「白石帰って来おへんな…」
「珍しいこともあるもんやね〜、いつもならすぐ見つけて戻ってくるのに」
「もう朝練終わりの時間やで」

ユウジ先輩のひと言に、副部長が「朝練終わりや!挨拶するで!」と部員を集め始めた。

「「「お疲れ様でしたー」」」

挨拶を終え、部室に戻る。

「はぁー、1時間目寝そうやわ」
「いつものことっすわ」
「いつもは寝とらんわ!」

謙也さんとくだらない会話をしながら歩けば、すぐに部室に着く。謙也さんが部室の扉をガチャリと開け中に入る。
俺も続けて入ろうとしたが、謙也さんがピタリと止まったのでそれはできなかった。
前にならって俺も止まれば、ドンっと後ろから誰かがぶつかった。

「いやん、ごめんね財前キュン!」
「浮気か!?財前、小春にくっつくなや!」

そう言って俺から小春先輩を離すユウジ先輩。
どうやらぶつかってきたのは小春先輩らしい。

「先輩ら、キモいっすわ」

ってか、謙也さん何しとんねん。

「ちょ、謙也さん、ドアの前で止まらんでください」

アンタのせいでラブルスに巻き込まれたがな。
心の中でそんな悪態をつけば、「おぉ、すまん」と言って足を進め、室内に入っていく。
今度こそ俺も室内に入れば、部長がおった。
その瞬間、部長の向かいに座る女子と目が合った。




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