*なんでやねん*

□第8話
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「今日は宿題の提出日やでー、ちゃんと提出せぇよ。日直は放課後でええから職員室まで持って来てや。」

「ほな、今日はここまで」と言って授業を終了させたのは渡辺オサム先生である。
…日直って私じゃないか。
本当にこういうとき日直に頼るの良くないと思います。
同じ日直の高木くんに目を向ければ、やはりこちらを向いていて、「面倒やな」と苦笑いしていた。

そして放課後。

「高木ぃー!はよ部活行くで!」

教室の後ろの出入口から、高木くんを呼ぶ声がした。
他のクラスの子のようだ。どうやら同じ部活らしい。

「おれ今日、日直やねん。先行っててや!」
「日直!?今日練習試合やで!遅れたらしばかれるど!」
「あっ、そうやったわ!」

「どないしよ…」と呟いた高木くん。部活って本当に大変そうだな。

『高木くん、部活行っていいよ。』

すぐ隣に立っていた高木くんに言う。そうすれば少し驚いたようにこちらを向く。
頑張れ青少年、お姉さんは応援しているよ。

「えっ、せやけど…」
『気にしないで、あと日誌だけだから。』
「ほ、ホンマにええんか?」

私の言葉に、ホッとしたような顔をする。
同時に「高木ぃー!」と急かす声が聞こえてきた。
その声に慌てる高木くん。そんな様子にクスリと笑ってしまった。

『ほら、遅れるよ?』
「お、おう!ホンマおおきにな、○○!」

「また、明日な!」と良い笑顔で手を振ってくれた高木くんは荷物を持って勢いよく教室を出て行った。

…青春って感じ。
そんなオバさんくさいことを思いながら日誌を書き始める

ここで私は重要なことに気づく。

宿題、職員室まで持っていかなきゃじゃん!!

そう気づいたときには高木くんはもういなかった。


*

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