姫武将物語
□5話 お供が出来ました。
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おいしい空気、きれいな緑、そして奇妙な獣道。
さすが戦国時代!(のちょっと前)
今日は久しぶりに師匠との鍛錬が休みだったから、今近くにあった山を駆け巡っています。山楽しい!(やばい、思考が完全に幼児化してきたよ!!)
急いで走り回ってると、追っ手から逃れる人ごっことか出来るし!
(なんだその遊びはっていうツッコミは無しでお願いします)
山って素敵!面白い!
そうして林の中を駆け巡っていたら、少し広いところにでた。
『・・・・あれっ?』
遠目に見えるのは・・・おっ狼?!
小型犬くらいのサイズの小さい銀色の狼が2匹いた。兄弟かな?姉妹かな?
「グルルッ!」
こっちを睨み付けるかのように低くうなる狼兄弟。
『あっ!君達、ケガしてる・・・。』
綺麗な銀色の毛並みの中に赤黒いものが見えた・・・よく見てみると、2匹とも怪我をしている。
『そのままだと、傷口からばい菌が入って余計にひどくなるぞ。だから手当てだけでもさせて。』
「グルル・・ッ!」
「また二人で一緒に山で遊びたいだろ?」
「グルゥ・・・」
威嚇が止まった。
2匹とも俺の言葉をよく理解してくれたみたいだ。良かったこれで手当てできる。
『すぐに手当てしてやるぞ。』
これ以上怖がらせないように最新の注意を図り、近づく。
ちなみに俺はいつも愛が転んだ時とか、自分が転がり落ちた時とかのために、応急処置の道具持ち歩いていた。
備えあれば憂いなし!!これ名言!
『えーと・・・これをこうしてこうやって・・・』
体に負担をかけないように程々の力加減で止血をし、手当てしていく。
『よしっ、これでおわりだ!』
ペコリ
おぉ、狼兄弟のお兄ちゃんらしき子が頭を下げたぞ!俺ビックリ!
『ご丁寧どうも、じゃあ元気にするんだぞー。達者でなー』ひらひら
俺はその後、手を振って家までの道のりを歩いていった。
はずだった・・・。
あれっ、狼兄弟(仮)が着いてくる。
あれか、鳥は最初に見た相手を親だと勘違いするやつの派生か!!
って違うだろ!この大きさでそれは無いだろう!!
『えーっと・・・どうした?俺そろそろ家に帰るんだけど?』
「「・・・・・」」
二匹はアイコンタクトをした。
えっなんでアイコンタクトしてるの!!
バフン
『えぇー!!!』
なっなんなんだ!いきなり2匹から白い煙が出てきたぞ!
「私達、あなたの心意気に心を打たれました。ぜひ、お供にしてもらってもいいですか?」
「僕、君の心意気に感動したんだ!良かったら連れて行って!」うるうる
『!!!』
煙が晴れたらそこには、一房だけ髪が長い男性と、同じく一房だけ長い髪を三つ編みにしている男性があわられた。
ビックリした!狼がいきなり人になったぞ!
あっそうか!この世界は何でもありだったな。
俺は俺で水とか出せるようになったし、前世の世界観は捨てなきゃいけないよな。前世は前世だし・・・。
そして狼兄弟の片割れ、そんなうるうるした目で見ないで!
『・・・うーん、分かった・・・。好きなようにして・・・。』
「よろしくお願いします、主。」
「よろしくねっ!」
お供が出来ました。
『ししょー、ただいま帰りました。』
相変わらず煙管を持つお姿は絵になりますね、師匠。
「あぁ、お帰り・・・。頭の上に乗っているその毛むくじゃらどうしたんだ?」
『拾いました。』
「そんな子犬拾ったみたいな言い訳するな、二匹とも狼だろ。飼っていいって言われたのか?」
『たぶんだいじょうぶです!父上を説得します!』
「まぁ、お前なら出来るか。名前は考えてるのか?」
『まだ決めた無いんですけど・・・うーん、銀色の毛並みだから・・・銀哉と銀河で!』
「へえーそうか、まあ仲良くやれよ」
狼を飼うことにしたのを驚かない師匠にビックリしました。
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