long story
□白い記憶
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目が覚めたら
明るい部屋にいた。
此処は何処…?
「…あら、気が付いた?」
「……はい、あの…。」
「あなた…お名前は?」
ナマエ、なまえ…名前?
聞かれて初めて気が付いた。
自分の名前が分からない、
なんて。
「何か言えない事情が?」
「……ごめんなさい。
私…分からない…です。」
「あら…そう、じゃあ
何故ここに居るか分からない?
自分の身に何があったのかも?」
「…はい。」
申し訳なくて私はただ
謝るしかなかった。
「そう…良いのよ、大丈夫。
少しこのまま
待っててもらえるかしら?」
「はい。」
出て行きかけた
ナース服の彼女は
くるりと振り返った。
「あ、私ローズよ。」
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