long story


□娘の特権
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空が白みはじめた頃、
ようやく宴は終わりを見せた。

至る所にクルーの皆さんが寝転がり
あちこちから鼾が聞こえ始める。

今日という日の一瞬一瞬、
全てを覚えていたくて夜通し起きていた私。

少し霧がかかった明け方の曇った世界は
まるで夢の中の様で、眠っていない筈なのに
ふいに不安に駆られた。

「……ローズさん。」

「ん、シャロン?」

「…これ、夢じゃないですよね。」

もし本当に夢だとしたら
その夢の中の人に聞いても
意味は無いかもしれないけど。

「ふふっ…大丈夫よ。
これは間違いなく現実。
シャロン、あなたは白ひげの娘。」

ローズさんは優しく微笑んで答えてくれた。

その言葉は抱いた不安を掻き消して。

「…良かった……。」

彼女は呟く私の頭をポンポンと撫でる。

「ね、シャロン?」

「…はい。」

「忘れないで?
白ひげは、あなたのお父さんは、
世界最強の男だってことを。」



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