long story


□名も無き娘
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"お前を娘にする"

そう言われた。

「む…すめ…?」

「アァ、娘だ。」

「仲間になれって事よ。
うちのクルーは皆、家族なの。」

「仲間で家族…?」

「クルー達は皆、
おれの自慢の息子だ。」

「……素敵…。」

何の記憶も無い、勿論、家族の記憶さえ。

一瞬で全てを失った私は
此処でまた新しい世界を作れるの?

出来るならそうしたい、
でも…それは、甘え?

記憶を失った事、利用して甘えてる?

「…白ひげさん、ありがとうございます。
そう言ってくださって…とっても、
嬉しかった。
でも……ごめんなさい。」

「……。」

「これは…この海楼石は…
私が政府、もしくは海軍の監視下に
置かれている何よりの証拠。
これ以上、皆さんに
迷惑をかける訳にはいきません。」

私は右手で左手首に嵌められた錠に触れた。

「断る理由はそれだけか?」

「……………。」

俯く私。

「…ウチはお前一人守れねぇ様な船とは
違う筈だが…?」

「そんなつもりじゃ…。」

「…まあ好きにしろ。
ただ、街がある島に着くまでは降ろせねぇ。」

「…はい。」



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