long story


□波の水音
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ふ、と目が覚めた。

窓の外を見やるがまだ、暗い。

勝手に歩き回っては悪いと思ったのだが、
潮風にあたりたいと思い、部屋を出た。

あまり歩いて迷子になっては困る。

医務室を出て直ぐに
デッキの様な所を見つけて安心した。

欄に近づき体中で海の風を受けとめる。

海が白く波立っているのが見えた。

真っ黒で何も見えないと思ったのに…。


―パシャン――…!


突然、水の弾ける音が頭に響く。

「…っ。」

私は白い波から目が離せなかった。

引き付けられて、離れない。

「な…に?」

見たことある光景、聞いたことある音。

私これ…知ってる…?



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