long story


□曖昧な感覚
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ローズさんが用意してくれたお部屋で、
穴が開くほど手配書を見つめた。

私が賞金首…。

いくら眺めていても、
その事実は変わりはしないのに。

いつの間にか暗くなった外では
降り出した雨がポツリ、ポツリ、と
窓に線を描いていた。

その雫に誘われるように
部屋から甲板へと出る。

雨の中、甲板には見張りのクルーさんだけ。

私は空から落ちてくる
その水滴を見上げた。

昨日、波を見た時と同じ
何処か懐かしい様な気持ちになったから。

髪がびしょびしょになっても、
服がぐちょぐちょになっても、
いつまでも雨に打たれている私を
不審に思ったのだろう。

「何してる…?風邪引くぞ。」

「……白ひげさん…!」

声に振り返ってみれば、
そこには白ひげさん御本人が。

「昨日は波、今日は雨。
お前を引き付けてるのは、水…か?」

「…はい、自分でも…よく分からないんですけど…。」

「…そうか。」

「……?」

「…中へ入れ。
ローズに着替えを貰って風呂に入るんだ。」

「はい、…すみませんでした。」

少しだけ白ひげさんの表情が曇ったのは、
私の気のせい…?



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