long story


□曖昧な感覚
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波も、雨も、シャワーに、コップのお水まで。

此処で意識を取り戻してからの間、
私は至るところで水という水に
不思議な感覚を覚えていた。

悪魔の実の能力者は海に嫌われる。

私が過敏に水に反応するのは能力者だから?

でも…懐かしい、そんな気がしていたのに。

浴槽のお湯を掬っては、
指の隙間を擦り抜けるように落ちていく
その物質を目で追った。

指先を伝う雫を眺める。

この感じ、前にもあった。

私の手を水が伝う、この感覚。

甦る記憶は曖昧で。

だけどそれは確かに私自身だった。



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