long story
□見透かされた嘘
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いつだってそうだった。
私は利用され、そして捨てられて。
「シャロン。」
「……!!…白ひげ、さん…!」
取り戻した記憶は
目の前の人を敵だと告げていた。
馴れ合うなど言語道断。
なのに私の気持ちは正反対で。
それでも私は私の気持ちに
気付かないふりするの。
こうする他に無い…。
「シャロン、お前は「私は海軍の人間です。
海賊と一緒に居るなど有り得ない話。
ましてや白ひげ海賊団。
いくら記憶を失っていたからと言って
同じ空気を吸ってたかと思うと
吐き気がします。」
白ひげさんの言葉を遮って一気に話した。
これは自分自身への精一杯の抵抗だった。
いっそ殺してくだされば良い、そう思って。
だけど、これだけの事を言ったにも関わらず
白ひげさんを始め隊長さん達は
顔色一つ変えないの。
どう言えば怒りを買えるの、なんて
おかしな事に悩んでいる私に
白ひげさんは言った。
「…お前はまた道具に戻りてぇのか?」
それは全てを見透かしていたかの様な言葉。
「…!!どうして…。」
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