long story
□それは嵌められた象徴
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「私は此処数年…海軍本部の一室で
軍の監視の元、生活をしていました。」
「……。」
「この海楼石は仰る通り、
私の悪魔の実を封じる為の物です。」
自力で外せないそれが
この少女が道具である事を物語っていた。
「私が、食べたのは、―――」
左手首に嵌まる海楼石を触りながら
彼女が口にした悪魔の実の名に
おれは確信した。
――ミズミズの実、
それは自然系の中でも珍しい種として
名前だけは有名な代物で。
能力者の存在は未確認とされてたが…。
以前、耳にした娘の話を思い返した。
海軍本部でいいように使われている少女の話を。
水に引き付けられ
炎に過剰な反応を示したこいつを
あるいは、そうじゃねぇかと疑っていたが…。
間違いない。
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