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□イエスしか聞こえない
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「あのぉ……何か…?」

「何だ、シャロン?」

食堂から出ようと立ち上がった
私の腕をがっちりと掴み
満面の笑みを浮かべている
この男は、我が白ひげ海賊団の
二番隊隊長 通称火拳のエース

「それはこっちのセリフです。
私これから仕事があるんですから
手、離して貰えませんか?」

「やだ。」

あんたは子供か!!
叫びたい衝動を何とか抑える私

「隊長…お願いですから。
早く行かないとマルコに怒られるの私なんですよ!」

「…なんでマルコはマルコなのに
おれは隊長なんだ?」

「へっ?
そりゃマルコはマルコだから…。」

「答えになってない。」

「と、突然そんな事言われても
分かりませんよ。ずっと前から
そう呼んでるんですから。」

この隊長は私の答えに御不満な様

「………エースだ。」

「……はっ?」

不意に自分の名を口にした隊長に
目を点にしていると彼は続ける

「エースって呼べよ。」

「えっいや、ほら隊長さんを
呼び捨てだなんてそんな無礼な事
出来ませんって。」

「マルコ。」

あっマルコも隊長だったっけ…

「でもでも!
マルコは私と同じ隊で私は
その補佐ですから…その…
仕事をする上でこう
フレンドリーにと思いまして…。」

ああもう!こんなんじゃ理由に
なってないのは分かるけど
どうしたら良いのよー!!!
マルコからエース隊長には
気を付けろって言われてるのに!!

「そうか、フレンドリーにな?
それならおれの事も勿論、
エースって呼ぶよな?」

先程の笑顔の更に上を行くだろう
太陽の様な笑顔で笑う隊長

「なっ…。」

最悪、墓穴掘った…

「返事は?」

「い、いえυ」

「…イエス?」

「Σえ!?いやあの…ノーです!!」

「イエス?」

いやいやいや、どんだけ都合の
良い耳してるんだこの人は…

「だからっ、ノーですっ!!!」

「そっかイエスか!」



イエスしか聞こえない



title:確かに恋だった 様


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