short


□残念ながらベタ惚れ
1ページ/1ページ




白ひげ本船モビーディック号には
空と同じく穏やかな「ぎゃああ!」

穏やか「ぎゃああああああああ!!」

穏や「ぎゃああああああああ!!!」

……物々しい雄叫びが響いていた


ドタドタドタドタドタドタッ

――…バタンッ!

「シャロンどうした!?
暴漢か?痴漢か?変態か?」

シャロンの悲鳴(?)を聞きつけ
おれは慌てて部屋に飛び込む

部屋を見渡してみるが
シャロン以外の人影はない

居るのはおれに背を向け
床に座り込んでいるシャロン

「…シャロン?」

「Σエース!」

びくっと体を震わせるシャロン

「何があったんだ?」

「…来ないで。」

「シャロンこっち向けよ。
どうしたってんだ。」

「いやっ!!来ないでよ!!」

伸ばしたおれの手を振り払い
ベッドに上がるとシャロンは
毛布に包まってしまった

「おい、本当に何があったんだ。
おれにも話せない事なのか?」

シャロンの異常な態度に
おれは無理やり毛布を引き剥がす

「あっ…。」

「…………………………………………………………………ぷっ!」

毛布の下から恨めしげに
おれを見上げるシャロンは
鏡を片手に涙目だった

しかしそれよりも何よりも
おれはシャロンが叫んだ理由が
分かり思わず吹き出してしまった

「Σ!!!〜〜〜〜〜笑うな!!!!!」

「…っはあ、わりぃわりぃ。
にしても……っぷはははは!」

シャロンは伸びてきた前髪を
自分で切ろうと試みたらしい

まぁ、よくある話だ

「んもーー!!!笑わないでっ。」

「だってよ、それ見て
笑わずにはいられねぇぜ?」

「だーかーらー!!!だからだから
来ないでって言ったんじゃない!」

「なるほどなぁ…でもよ、





そんなシャロンも
おれにとっちゃ最高に可愛いぜ?」


残念ながらべた惚れだ



title:確かに恋だった 様


[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ