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□その笑顔は反則
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「シャロン〜シャロン〜?
シャロンの奴どこ行ったんだ?」

おれは甲板であいつを探していた

今さっき食堂ですれ違った時は
甲板にいるって言ってたんだが…

「ジョズー!
シャロン知らねぇか??」

向こうから歩いて来た
ジョズに訊ねてみる

「あーシャロンならほら…。」

そうジョズが指を差し
見上げた先には確かに
シャロンがいた

甲板にそびえ立つマスト
その中の一本にシャロンはいた

「…Σシャロン!?何してんだ!?」

「……ん?何?ちょっと待ってー
今、手が離せないのー!」

シャロンはマストに足を掛け
帆のあたりに一生懸命
手を伸ばしていた

「何やってんだ、あいつ……
……っΣっておい!!シャロン!!
降りてこい!!今すぐだ!!」

おれは気が付いてしまった

シャロンがスカートである事に

「あーもー何よ?今それどころじゃ
ないんだって……!」

「駄目だ!!すぐに降りてこい!!」

「もうちょっとだから……
………んよっと…っよし!」

「降りろ〜!!」

「はいはい、今すぐ降りますよー!」

そう言うと体勢を立直すシャロン

その動きを見ておれは更に焦った

「ちょ待て!!!シャロン、
飛び降りんな、馬鹿!」

おれの叫びも虚しく
シャロンはマストから
ひょいと飛び降りた

「お前ら…死にたくなかったら
上向くんじゃねぇぞ…!」

おれはシャロンを見上げている
クルー達に一喝する

おれの言葉に素直に
真下を向くクルー達

そしてシャロンは、と言うと
ミズミズの実の能力で
体を水と化し着地した

甲板の足元に広がった水が
パシャっという音と共に
人型を形成しシャロンとなる

「もぅエースったら
何ギャーギャー喚いてたのよ?」

けろっとした顔で言うシャロン

お前の姿にどんだけの野郎共が
見入ってたかも知らねぇで…

「ったく、シャロンお前!!
あんなとこで何してたんだよ!?」

「ん、コレ見て。」

シャロンの手にはこの前の島で
おれがあいつにプレゼントした
ピアスが光っていた

「エースに貰ったコレ、
さっきつけようと思って
ポッケから出したの。
そしたら凄い風が吹いて、
飛んでっちゃって…
で、運良く帆に刺さった!」

なるほど、そのピアスの為に

怒鳴った事を後悔し
声のトーンを落とし聞く

「なあシャロン、それ大事か?」

「あったりまえじゃない!!
エースから貰ったものは
何だって大事!」

ピアスをつけて微笑むシャロン
「…そっか。」

無茶な事するし
スカートってもん理解してねぇし
自分の容姿ついて無自覚だし
彼氏であるおれの苦労にも
気が付かねぇくらい鈍感だし
色々言ってやりたい事はあるけど
そんな顔されたら何も言えねぇよ


その笑顔は反則



title:確かに恋だった 様


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