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□今から君に告白します
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「ねぇえ、シャロン〜?
あなた好きな人とか居ないの?」

船室の中から聞こえてきた声

おれはナースのローズに言われて
とある船室の前にいた

何のつもりだ、と怪訝に
思っていたおれの耳に
ふいに届いたローズの言葉

おれの胸がざわりと
違和感を覚える

(シャロンの好きな奴…?)

思わず聞き逃すまいと
全神経を耳に集中させてしまう

シャロンが答えるまでの時間が
えらく長く感じたのは気のせいか

やっと聞こえてきたシャロンの
答えは至極簡単なものだった

「いる。」

(……!!)

「あらっ!!やっぱりね、
絶対そうだと思ったの。」

(いる?シャロンに好きな奴が?)

この船には何千のクルー

シャロンのそれがおれである
可能性なと皆無に等しい

聞きたくない、そう思っても
体が言うことをきいてくれない

(全く情けねぇ…
白ひげの隊長ともあるおれが
女一人の発言にこんなにも
動揺するなんて)

「ねぇ、誰なの?」

「…秘密。」

「あらぁ?そこまで言っておいて
隠すつもりなのかしら?」

「…υ〜〜〜〜〜っ絶対、
絶対内緒にしてね!?」

「もちろんよ、さっ誰なの??」

「…………エース隊長。」

(!!!?)

おれはあまりの衝撃に
今度こそ本当に動けなかった

(シャロンがおれを…?)

「あら!!エースなのね!
全くシャロンったら…。」

「ちょっとローズ、声が大きいっ!」

「あら平気よ。ね、もしエースが
告白してきたらシャロン
どうする?もちろんイエスよね?」

「な…何でそうなるのυ
そんな事……あるわけ無い。」

「ふふっ、それはどうかしら?」

「…?」

まさか、と思った

「じゃ、後は好いたもの同士
なんでもしちゃってね☆
邪魔者は退散しますわ。」

「へ!?」

中からシャロンの
焦った声が聞こえてくる

(ローズの奴、本気か!?)

船室から出てきたローズは

「頑張ってね。」

そう、おれに一言かけると
手をひらひら振って去って行った

船室の中をチラと見やれば
未だ状況を受け入れられずにいる
シャロンが目を点にしている

おれは決めた


今からきみに告白します



title:確かに恋だった 様/font>

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