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□HAPPY BIRTHDAY
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毎年、新年を祝うのに夢中で
その日がエースの誕生日だって
覚えているクルーは少ない

直前まで記憶してても
いざ日付が変わってみれば
明けましておめでとうの挨拶に
忙しくなって結局忘れてた、
なんていつもの事なのだ

おめでとうって言われても
それは新年明けまして、の事であって誕生日おめでとうでは無い

だから私は毎年必ず言うのだ

プレゼントは用意してない

これは私から言葉の贈り物

本当は私なんかじゃ
嬉しくないかもしれないけど
今年も言うの、そうこれからも


「エース。」

「おっ!待ってたぜ!!」

「誕生日おめでとう。」

「今年もサンキューな!」

「あら、本当はもっと
みんなに祝って欲しいでしょう?」

「…昔はさ、そう思ってたけどよ。今は違うんだぜ?
お前だけがおれの誕生日
覚えててくれるって
思うと凄ぇ嬉しいからさ。
だからみんなに祝ってもらわなくてもおれはお前にだけ祝ってもらえれば良い。
だから…これからも毎年
おれの誕生日祝ってくれよ。
おれの傍でさ。」

「……私で…良いの?」

「お前が、良い。」

エースの言葉は以外だった

私なんて眼中にないのかと思ってたから

私があなたの誕生日を忘れないのはね、あなたが新年なんかより
誕生日を祝いたいと思える
大切な人だからよ?

「エース、ありがとう。
これからも…毎年ずっと祝うわ。」

「ああ、頼むな。
今度はおれがお前の誕生日を
お前の隣で祝うから。」

「……好き、ずっと前から。」

「…おれも好きだった、ずっと前から。でもたった今から…愛してる。」



Happy Birthday to Ace


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