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□転向
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襲い掛かる痛みに私の体は悲鳴を上げて。

「…っ…ぐふっ。」

地面に倒れ込みながら
最後に聞いた自分の声が
何とも女らしからぬものである事を
幾分、情けなく思った。

視界は霞み意識は朦朧として。

私は死ぬんだ、もう全てが終わるのね。

僅かに繋ぎ留められていた意識の中
聞こえるはずの無い名を、聞いた気がした。


"おれは白ひげだ"


シロヒゲ、しろひげ…?

瞬間、私は意識を手放した。



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